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2020年4月開始春ドラマ注目作ベスト5

春といえば新入生の季節、と言いたいところだが、今年の春ドラマは続編モノが多い多い。こんなに保守的な春も珍しい。これも新型コロナウイルスの影響か?とでも言いたくなるが、もちろんそれ以前からラインナップは決まっていたはずで。近年のドラマ界全体にはびこる守備的なスタンスが、顕著にうかがえる。

ちなみに続編モノは以下の7本。

『SUITS/スーツ- season2』(フジ)
『ハケンの品格』(フジ)
『特捜9 season3』(テレ朝)
『警視庁・捜査一課長2020』(テレ朝)
『BG~身辺警護人~』(テレ朝)
『家政婦のミタゾノ(第4シリーズ)』(テレ朝)
『半沢直樹』(TBS)

いつだって続編まみれのテレ朝2枠(『特捜』『捜査一課長』)は別にしても、これはさすがに多い。とはいえ、続編が作られるということはそれなりに実績がある作品というわけで、豪華といえば豪華な布陣ではある。

個人的には、『SUITS/スーツ』『BG~身辺警護人~』『家政婦のミタゾノ』『半沢直樹』の4作に関しては、前作が面白かったので期待している。もちろん、最注目は前作の最終回で驚異の視聴率「42.2%」を叩き出した『半沢直樹』だろう。

それでは、個人的に注目している作品を、5位から。


5位『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ/木曜22時/石原さとみ主演/4月9日スタート)

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刑事ドラマと医療ドラマが多すぎると言われる昨今、いよいよ出た薬剤師ドラマ。

あえて選んだ地味な設定をどう生かしてくるのかに注目だが、同じく医療モノの『アンナチュラル』で好評を博し、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』で地味な職業に光を当てた石原さとみは、企画書的にはまさに適役であるはず。

脚本は『グランメゾン東京』を手掛けた実力派の黒岩勉。今クール2本のドラマを担当する売れっ子脚本家(もう1本はテレ東の『らせんの迷宮〜DNA科学捜査〜』)が、これまでの医療ドラマと比べてどう違う角度で攻めてくるのかに注目している。

【公式HP】
https://www.fujitv.co.jp/unsung/?51892


4位『レンタルなんもしない人』(テレビ東京/水曜24時12分/増田貴久主演/4月8日スタート)

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本当になんにもしないのに、誰かの何かの役に立っている「レンタルさん」こと「レンタルなんもしない人」。以前『ザ・ノンフィクション』でやっていた「レンタルなんもしない人」のドキュメンタリーは面白かった。

今回はドキュメンタリーのあの地味な面白さを、地味なままドラマとして面白くできるのかどうか。エピソードは地味ながら特異なものが揃っているはずなので、「ドラマとしての仕上がり」に期待したい。

【公式HP】
https://www.tv-tokyo.co.jp/rentalsan/


3位『半沢直樹』(TBS/日曜21時/堺雅人主演/4月19日スタート)

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これはもう説明不要だろう。メインの脚本家が代わっているのが少々気になるが、クオリティは間違いないだろう。問題は前作を超えられるかどうかの一点に尽きる。もちろん超えなくとも、充分な数字にはなるはずだが。

当然「倍返し」は期待されるが、「倍返し」に続く別の決め台詞(倍率を増やすだけでなく)も欲しいところではある。どこかで新鮮味を出せるかどうか。

【公式HP】
https://www.tbs.co.jp/hanzawa_naoki/


2位『MIU404』(TBS/金曜22時/綾野剛・星野源主演/4月10日スタート)

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『逃げ恥』『アンナチュラル』『獣になれない私たち』の脚本家であり、さらには前クールのベスト深夜ドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』で改めてその実力を見せつけた脚本家・野木亜紀子によるオリジナル脚本。

メジャー作からマニアックな作品に至るまで、全方位的にはずれなしの活躍を見せるいま一番人気の脚本家が、わりとオーソドックスに見える刑事モノにどういうアプローチをしてくるのか。

シリアスもコメディも書ける人だけに、その両者のバランスをどの位置で取ってくるのかが気になる。個人的には、両端いずれにも振り切った一挙両得を観たいが、そんなことがはたして可能なのか否か。

いずれにしろ、既存の刑事モノとの違いを見せつけてもらいたい。

【公式HP】
https://www.tbs.co.jp/MIU404_TBS/


1位『家政婦のミタゾノ(第4シリーズ)』(テレビ朝日/金曜23時15分/松岡昌宏主演/4月24日スタート)

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コメディとしてもヒューマンドラマとしても情報番組(?)としても楽しめる稀有な構成と、最強のキャラクターを擁するあの作品が帰ってきた。

このドラマの魅力に関しては、以前思いっきり書いたのでそちらをぜひ。

《2018春ドラマ初回レビュー~『家政夫のミタゾノ』シーズン2~》
https://arsenal4.blog.fc2.com/blog-entry-345.html

懸念があるとすれば、第4シリーズということで、そろそろ息切れしてくる可能性もある、という点だろうか。

とりあえず毎度のことながら、第1話のきっと派手すぎるに違いない登場シーンに注目である。

【公式HP】
https://www.tv-asahi.co.jp/mitazono/#/?category=drama

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ドラマ『まだ結婚できない男』初回レビュー

『まだ結婚できない男』

あの一級建築士兼超一級屁理屈屋の桑野信介が帰ってきた。まだ初回なので全開とまではいかないが、まずはドラマ史上最強のキャラクターと再会できたことが嬉しい。

その一方で、続編のキャスティングが発表された時点からの不安がやはり現実のものになってしまった、という感触も少なからずある。これから回を追うごとに良くなっていくことを期待したいが、一作目に比べるとややポテンシャルが落ちる相関図になっているのも否めないように見えた。

一つ目はもちろん、一作目のヒロインであった早川先生こと夏川結衣の不在である。これは僕の中での夏川結衣評価が異様に高いというのもある(その理由のすべては、ドラマ『青い鳥』における魔性の快演、もしくはそれを超えた怪演)が、やはり主人公・桑野の屁理屈に唯一対抗できるのは、変幻自在な表情をシームレスに繰り出すあの早坂先生しかいないと改めて痛感させられた。

もちろん、今作は主人公の年齢設定が高いとはいえ、最近の夏川結衣の役柄からするとラブコメのヒロインは難しいという判断は理解できる。その後釜として選ばれたのが、吉田羊というのも納得はいく。これはオリジナルのファンの、いわゆるないものねだりというものだろう。

ただし今回のヒロインにやや物足りなさを感じるのは、役者が異なるというだけではなく、おそらくは職業選択の問題もあるのだと観ていて感じた。

前作のヒロインである早坂先生は医者という立場から、桑野と日夜舌戦を繰り広げていた。それこそがこのドラマの真骨頂だと思うのだが、この二人の舌戦がすこぶる面白かったのは、どちらも毎度一歩も譲らぬ互角の戦いを見せていたからだろう。

そして二人が互角であったその要因には、早坂先生の医者という職業が少なからず関係していたように思われる。いくら屁理屈屋の桑野でもこと病気に関しては、さんざんごねてみせるとはいえ、最終的には医者の理屈のもとに従わざるを得なかった。

それはきっと、医者が素人にはない専門知識を持っているというのが大きい。強固な屁理屈も、有無を言わさぬ科学の前には通用しないことがある。そういう意味で、早坂先生の持っている医学というのは、史上最高の屁理屈屋である桑野と対等に渡りあうための、最強の武器であった。

対して今作のヒロインである吉山まどか(吉田羊)は弁護士である。「先生」と呼ばれる職業であることは医者と共通しているし、社会的な地位も同じく高いレベルにあると言えるかもしれない。そういう意味では似たポジションの設定になっている。

だが一話目を観ていて気になったのは、吉山弁護士の理屈が、しばしば桑野の屁理屈にあっさりと負けてしまっているという点だった。これは単に吉山の弁護士としての力量の問題ではなく、そもそも弁護士という職種が持っている理屈の方向性が、桑野が駆使する屁理屈に思いのほか近いということを意味しているのではないだろうか。

いやだからといって、弁護士の論法が屁理屈であると言いたいわけではない。そうではなくて、医者が用いるある種科学的かつ専門的な理屈に比べると、弁護士の理屈のほうが一般人が用いる理屈に近いということなのだと思う。弁護士の理屈は、医者の理屈ほど素人をバッサリと切り捨てることができない。

つまり理屈の方向性が似ているのだ。ゆえに弁護士より弁の立つ素人がいてもおかしくはなく、それが桑野であるということになるのかもしれない。

だがこの点に関しては、まだ一話目だということを考慮に入れる必要がある。弁護士にも専門知識があり、素人に踏み込めない領域というものが少なからずあるはずで、それはこの先発揮されることになるだろう。そうなれば桑野と互角の舌戦が見られるかもしれないし、作品として当然そこは目指してくるに違いない。それこそがこのドラマの真骨頂なのだから。

そして二つ目の不安要素は、前作で桑野のエージェント役として機能していた沢崎こと高島礼子の不在である。桑野のすべてを知る仕事仲間という立場から、随所で意味深な発言を放つ彼女の存在は、このドラマにおいて桑野の「取扱説明書」の役割を果たしていた。その役割をメインで果たすのはもちろん、前作も今作も英治(塚本高史)だが、沢崎も同じく桑野の取説を視聴者に伝える重要な役割を担っていたということに、今作で彼女がいなくなって改めて気がついた。

代わりに今作では森山という役名の若い女性(咲妃みゆ)が桑野の仕事をプロデュースするようだが、一話目の時点では「桑野のことを面倒くさがっている人物」という立ち位置にとどまっている。

とはいえ、「歳を重ねてある程度の立場になると、周囲に苦言を呈してくれる人がいなくなる」という現実の映し鏡としては、このキャスティングはむしろ順当かつリアルな若返りであるとも言える。現時点ではキャラクターの薄さが気がかりだが、前作の沢崎とは異なる関係性を桑野と築いてゆくことを期待したい。

なんだかこのドラマが好きすぎるあまり、細かな不安要素ばかり指摘する文章になってしまったが、やはり桑野信介はドラマ史上最強とも言うべき稀有なキャラクターであり、本作が今期イチ推しのドラマであることに間違いはない。回を重ねるごとに前作とは違う魅力が生まれてくることもあるだろう。とりあえず、年末へ向けて楽しみが増えたことを素直に喜びつつ見守っていきたい。


【『まだ結婚できない男』第一話(TVer)】
https://tver.jp/corner/f0040725

【『まだ結婚できない男』公式HP】
https://www.ktv.jp/kekkondekinaiotoko/index.html

2019春ドラマ(4月スタート)なんとなく注目作ベスト5

いつのまにか春ドラマのラインナップが出揃っていた。もう桜が咲いているので当然である。散るころに始まることになるだろうか。

つまりドラマのスタートまでにはまだ少し時間がある。このあいだに、今期はどのドラマを観て、どのドラマは観なくていいのかを決めておきたい。

そんな僕個人のニーズが、誰かに共有されるものなのかどうかはわからない。しかしまだ1話目も放送されていない今の段階で、とりあえず各公式HPの情報を見た程度の感じで、今期どのドラマを観るべきかを勝手に並べてみたいと思う。

実は毎度改編期のたび、そんなことを個人的にやっているのだが、やはり期待と実際というのは少なからず異なるもので、すっかり期待はずれだったり意外な作品が良かったりという誤算は毎度ある。

なのでこれは現段階における予想みたいなもので、できればひと通り第1話を観終わったあたりで、この予想に対するアンサー的な真のおすすめランキングを書きたいと思っている。

いまのところそう思っているだけなので、誰かから要望があればきっと書くし、要望がなくても書くかもしれない。

今回はとりあえず、自分の中に湧きあがる期待度を目安に順位もつけてみた。ちなみに1位は断トツであることを付け加えておきたい。


5位 『あなたの番です』(日本テレビ/日曜22時30分/原田知世、田中圭主演/4月14日スタート)

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【公式HP】https://www.ntv.co.jp/anaban/

「企画・原案:秋元康」という、最大の売りっぽい要素が一番の不安要素なのだが、それ以外はキャスト、設定ともに充実している印象。

4~9月までの2クール連続放送という試みも、むしろ中だるみを予感させる不安要素であるような気もするが、かなり大きく振りかぶったミステリー設定の緊張感がどこまで続くのか。

4位 『わたし、定時で帰ります。』(TBS/火曜22時/吉高由里子主演/4月16日スタート)

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【公式HP】http://www.tbs.co.jp/watatei/

吉高由里子主演といえば、『東京タラレバ娘』がとても良かった。この作品も、HPを見る限り方向性は近いような気もするが、こちらは恋愛というよりは、やや仕事重視の設定か。

シリアスな湊かなえ作品を手掛けてきた脚本家の奥寺佐渡子が、どの程度コメディ成分を入れてくるのかが読めないが、吉高由里子を生かすには、やはり基本的にラブコメ寄りであってほしい。

3位 『緊急取調室 3rd SEASON』(テレビ朝日/木曜21時/天海祐希主演/4月11日)

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【公式HP】https://www.tv-asahi.co.jp/kintori/#/?category=drama

今期のテレ朝はいつも以上に続編モノが多く、通常ならばこういう保守的なスタンスには否定的なのだが、そんな続編モノの中にもやはりクオリティの善し悪しはあって、これは間違いなく前者。

すでに出尽くしたと思われる刑事ドラマというジャンル内でも、近ごろは他と差別化をはかるための細分化が行われているが、その大半は「これならば普通の刑事モノにしてくれたほうが良かったのに」という元も子もない仕上がりになっていたりする。

しかしこのドラマは数少ない成功例のひとつで、極度にインドアな「取り調べ」という行為の中から、事件の真相や犯人の真意を浮かび上がらせるという、とても難しいプロセスでエンターテインメントを成立させているのが興味深い。

それを可能にしているのはやはり言葉の力で、それしか武器がないぶん、言葉を愛する人間には楽しみが大きいように思う。

2位 『東京独身男子』(テレビ朝日/土曜23時15分/高橋一生主演/4月13日スタート)

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【公式HP】https://www.tv-asahi.co.jp/tokyo-dokushin-danshi/#/?category=drama

名ドラマ『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』でアラフォー女子の婚活を描いた脚本家・金子ありさが、今度は正反対にいる同じくアラフォーの「あえて結婚しない男子」を描くという、カウンター的な企画がまず面白い。

同ジャンルには、阿部寛がコメディからシリアスまで最大の振れ幅で演じきった不朽の名作『結婚できない男』があるが、こちらは3人の「あえて結婚しない男子」を中心に描くとのことで、大人数の関係性を生かし切れるのか、あるいは散漫になるのかが気になるところ。

『私 結婚できないんじゃなくて~』の実績があるとはいえ、あれは『スパルタ婚活塾』という異様にキャラの立った実用書(?)が強力なベースとしてあったため、原作なしであのレベルに到達できるのかという点にも個人的には注目している。

高橋一生、斎藤工、滝藤賢一という男3人のキャラクター配置も、何かが起こりそうな予感を孕んでいて面白い。

1位 『家政夫のミタゾノ(パート3)』(テレビ朝日/金曜23時15分/松岡昌宏主演/4月19日スタート)

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【公式HP】https://www.tv-asahi.co.jp/mitazono/#/?category=drama

今期ぶっちぎりの注目作。いやどんなタイミングでどんな作品に囲まれようと、いつだってこの作品は僕にとってきっと一番の注目作なのだが。

このドラマの魅力に関しては、パート2放送時に当ブログでも書いたのだった。

http://arsenal4.blog.fc2.com/blog-entry-345.html

あのお化け視聴率ドラマ『半沢直樹』の脚本家が、こんなにふざけた脚本を書いている、というだけでも充分に痛快なのだが、ふざけているだけでなくシリアスな深さも存分にある上に、さらに役に立つ生活の知恵まで盛り込まれているという無双っぷり。

この濃密さでパート3まで来たのは奇跡のようにも思えるが、ここまで来たらどこまで全速力で走れるのか見届けたい思い。