FC2ブログ

テレビに耳ありラジオに目あり

テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』2012/10/21放送回~テレビ界を揺るがす「大物二人」ブームは来るのか?~

ビートたけしと石橋貴明による新番組。この番組が今後のバラエティ番組のありようを変えていくかもしれない。

こういう言い方をする場合、「かもしれない」と言いながらも書き手は「そうに違いない」と裏で思っていたりするものだが、そうではなくて本当に、「かもしれない」という言葉が本来持つくらいの確率で。

たとえば『リンカーン』以降、「冠番組を持つランクの芸人を数多く並べる」という手法が当たり前になったように、この『日曜ゴールデンで何やってんだテレビ』という番組以降、『大物芸人二人の共演』という手法もまた、当たり前になるかもしれないし、ならないかもしれない。

もちろんこれで数字が取れれば、という条件つきだが、しかし『リンカーン』が特別視聴率が凄いというわけでもなくそこそこの状態のまま続いているように、この番組もどちらかというと思いがけず、インパクトよりも安定感を獲得する方向へ向かうような気もしている。実験精神を象徴するようなその番組名とは正反対の方向へ。

1回目は、前半が石橋貴明とビートたけしがドライブするという『気分は上々』スタイルで、後半はたけしの考えた番組タイトルをただひたすらにプレゼンする「たけしメモ」状態という二部構成。前者はたけしも石橋貴明も関係ないがTBSの番組であり、後者ももとは『元気が出るテレビ』(日本テレビ)の企画だが今はなぜかそのエッセンスが『情報7days ニュースキャスター』(TBS)に受け継がれているから、いずれも「TBSで実績のある安全な手法」を取ったということになる。そう考えていくと、この番組は結構フリーダムで行きあたりばったりな構成に見えて、実はかなり保守的な選択肢を取っているようにも見える。

世の中的にも、本人同士の間でも、この番組に期待するのはある種の「自由」だと思うし、「それこそが今のバラエティ番組には足りないから俺たちがやるしかない」という使命感もあると思うのだが、とりあえず1回目に関しては、大物二人の接近遭遇という緊張感による面白さは感じながらも、形的な新しさは特に感じられず、二人というよりも制作者サイドの保守性と迷いを強く感じる内容だった。

感触としては第1回というよりは「弟0回」という感じだったので次回以降に期待だが、予告を観る限り、2回目から早くも若手芸人を呼んでコントをやらせ、二人はそれをジャッジする側に回ってしまいそうな予感がある。しかしそういういつもの大御所っぽい仕事ではなく、もっと二人がプレイヤーとして主役になれることをやるための番組なんじゃないの?と思うのだが、はたして若手のコントに二人が乱入して跡形もなくぶち壊すような展開になってくれるのかどうか。

不景気というのはつまり若手よりも大御所のほうが冒険しやすい世の中だと思い知らされる昨今、若手やテレビ制作者になりふり構わぬ勇気を見せつけるような、思い切った二人を観たい。

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第7回更新~「安住二世」と呼ばれたくないTBS若手アナが解き放つ、暗黒のポテンシャル『ザ・トップ5~リターンズ』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第7回は、ナイターシーズンを挟んで帰ってきた『ザ・トップ5~リターンズ』水曜日、というか突如として想定外のネガティブな魅力を開花させつつある山本匠晃アナウンサーについて。

【「安住二世」と呼ばれたくないTBS若手アナが解き放つ、暗黒のポテンシャル『ザ・トップ5~リターンズ』】
http://www.cyzo.com/2012/10/post_11659.html

ラジオが人の魅力発見装置であるというのを改めて気づかせてくれるとともに、テレビで観ているときに受けた印象というのがいかに表面的であてにならないものかというのを痛感させられる、そんな価値転換のスリルを味わわせてくれる良質な番組。

と言い切りたいところだけど、実際のところはやはり山本アナの存在がすごく特殊で、さらにはこの番組で相方をつとめるコンバットREC氏も、「ビデオ考古学者」という謎の肩書きどおり相変わらず異様に興味をひく人物なので、この組み合わせは狙ったにしろ偶然にしろやっぱりすごく特殊な例なのかもしれない、とも思う。そのへんは、金曜日の小林麻耶の回と比べてみるとけっこう見えてくるものがある。

まだ2回目の放送が終わった段階ということで、今後慣れていくにつれさらに面白くなるのか、まとまって普通になっていってしまうのか、ちょっと読めないし何を期待していいのかさえわからないようなところはあるけど、わかることよりもわからないことに面白さを感じる向きには、間違いなくあちこちに面白さを発見できる絶好の番組だと思う。