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『ホンマでっか!?TV』2012/6/6放送回~知性と感性の衝突が生む虚実無用のグルーヴ~

この番組は、評論家と明石家さんまの絡む時間が長ければ長いほど面白い。さんまと評論家が一対一対で正面衝突するのももちろん面白いが、そこに他の評論家やマツコ・デラックスも入り交じって乱打戦の様相を呈するとさらに面白い。誰が敵で誰が味方がわからなくなるくらいがいい。

しかしどうも、初期メンバーの評論家以外はやっぱり「面白さ」という点で弱い。最近は新しい評論家を発掘するための回があったり、芸能人をひな壇に並べてそちらをメインに展開する回があったりで、試行錯誤のあとがうかがえるが、あまり上手く行っているようには思えない。

今回は後者の「ゲスト大量投入型」の回で、「芸能人妻お忍び人生相談」と称して、松居一代、羽野晶紀、東尾理子らがメインで喋り続け、評論家勢の話すシーンはほとんどなかった。こうなると『さんま御殿』とまったく変わらない「いつものさんまの番組」になってしまう。もちろんさんまが回せば安定した面白さはいつも出るのだが、この番組ならではの、知性と感性が入り交じった特殊なグルーヴは生まれない。

普段は評論家が火をつけたところにさんまやマツコが油を注ぐ形になるものが、こうゲストが多いと評論家サイドが受けに回り、ひな壇の意見を評論家が鎮火するような構図になってしまう。それはとても一般的な評論家の使い方で、ゲストが「ボケ」、評論家が「ツッコミ」の役割になる。

そもそもこの番組の発明は、評論家を「ボケ」として置いたという部分にこそある。そしてそれらの知性を感性の力でねじ伏せられるさんまのみが、虚実定まらぬ知を相手に無謀な格闘を挑むことができる。図式的には評論家が「猛獣」でさんまが「猛獣使い」なのだが、「猛獣」のほうに知性があって「猛獣使い」のほうに感性があるという点において、完全に構図が逆転している。そのねじれが、「情報が本当でも嘘でもどっちでも、面白ければいいじゃないか」という、狂騒的なグルーヴを生む。

だがそこに、さらなる猛獣を投入することは得策ではない。特に松居一代のような感性の猛獣を入れてしまうと、「感性vs感性」という、普通の芸能人同士のぶつかり合いになり、他の番組と何も変わらなくなってしまう。それでも平均を下回らないのがさんまの凄さだが、この番組の面白さはやはり、知性と感性の衝突にこそある。

【『ホンマでっか!?TV』HP】
http://www.fujitv.co.jp/b_hp/honma-dekka/index.html

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