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『エンタの神様 大爆笑の最強ネタ大連発SP』2012/6/30放送~見事に功罪相半ば~

前回のスペシャルに引き続き、新録ネタと既発ネタをごちゃ混ぜにした謎の構成。

単純に番組の「現役感」を出したいから新録ネタを混ぜているということなんだと思うが、明らかに過去の傑作に比べ新録ネタが弱いので、番組に関してはむしろ「終わった感」のほうが強く出てしまった。ベスト盤の中に入っている新曲がつまらないことが多いのと同じ理屈。

しかしネタ自体は、公式HPにあった通り「M-1チャンピオン&キングオブコント覇者&ザ・マンザイ王者&R-1優勝者が次から次へと登場」し「笑いのチャンピオン達が自ら選んだ№1の最強ネタで勝負する」というある種の無双状態が続くため、もちろん面白い。

だが面白かったのはあくまでも、「M-1チャンピオン&キングオブコント覇者&ザ・マンザイ王者&R-1優勝者」たちのネタであって、彼ら王者たちは正直、この番組の主役ではなかった。彼らはむしろ番組の格を保つために「保険」として起用されていた実力派たちであって、この番組の本道とはむしろ、波田陽区、コウメ太夫、桜塚やっくんら、オール巨人師匠に「あの子は芸が荒れとる」と小一時間説教されそうな新人の発掘であったのは間違いない。言ってしまえばそれ以外は普通のネタ番組だった。

そしてこの特番に、彼らのような、番組のアイデンティティともなっていた一発屋芸人たちはことごとく呼ばれていない(もちろん「呼ばれたのに断った」可能性はあるが、各芸人の置かれている状況からして考えづらい)。特につい先日『テベ・コンヒーロ』における衝撃の復活劇が地下で話題を呼んだコウメ太夫に関してはベストタイミングかと思われたが、彼も登場することはなかった。

ならばそういう一発屋芸は、番組的にはもうすべてなかったことにしたいのかと思いきや、なぜか「姫くり」というエンタ得意の「リズム&あるある芸」劣化版の終着駅のようなコンビだけは出てきたりして、番組自体の感性が過ぎ去りし全盛期で完全に止まってしまっていることを強く感じさせた。

だが一方で、先に「保険」とは言ったものの、アンジャッシュ、タカトシ、サンドウィッチマン、ドランクドラゴンなど、確固たる実力を持った芸人たちにコンスタントに場所を提供していたのは、そこが番組の核ではないにしても間違いなくこの番組の「功」の部分であった。「そんなの当たり前じゃないか」と思われるかもしれないが、実力のある者に適切な場所を提供するということが、世の中では不思議なほど行われていないという現実がある。

ただし、番組のレギュラー復活を目論むならば本道で行かなければ意味はなく、核となるアイデンティティを変えるならば別のネタ番組として作ったほうがいい。美化された思い出にとどまるならば先は見えない。

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