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テレビ/ラジオを自由気ままに楽しむためのレビュー・感想おもちゃ箱、あるいは思考遊戯場

『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第5回更新~『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』~

『日刊サイゾー』のラジオ批評連載コラム第5回は、お洒落な場所に爽やかさのかけらもない、悪夢のような白昼夢のような秘密基地のような地下要塞をこさえた番組について。

【地方FMというアウェイの地に築かれた、毒舌王の強烈な磁場『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』】
http://www.cyzo.com/2012/09/post_11443.html

特にツイッターによる密告文化が幅を利かせるようになって以降、歯に衣着せぬ本音を売りにしていたあらゆる番組がヌルく丸く奥歯に物が挟まっていく中、時代と逆行するように刃を研ぎ続けているのがこの番組。

といってもその根本原理は奇をてらったものではなく、「とにかく嘘が嫌い」だという真っ正直なスタンスの表れであって、その証拠に有吉のトークもリスナーのメールも全部本当のこと、本当の気持ちしか言ってない。それが抜群に面白いのは、やっぱり本当の意見のみが持つリアリティというものがあるからで、しかし本当の意見というのは必ず誰かを傷つけることになっているからリスクが大きく誰も言いたがらない。「王様は裸だ!」という本当の意見は、結局のところ一人の無垢な子供にしか言えないわけで、本当のことを言わない癖がついてしまった社会人は、そのうちに本当のことを思いつかない思考回路を習慣的に身につけてしまう。

世に愛される毒舌家に対して、「あいつはみんなが思ってるけどあえて言わないことをわざわざ言ってるというだけ」という意見があるが、それは上記の理由により間違っていると僕は思う。多くの人は、もう本当のことを思いつく思考回路ごとすっかり失ってしまっているから本当のことを言えないのだということに、自分で気づいていないだけだ。普段から面白いことを言ってない人に面白いことが言えないように、普段から本当のことを言っていない人にもう本当のことは言えない。

……というようなことを終始考えさせるようなお堅い番組ではもちろんなくて、むしろ全編悪ふざけ三昧の、誰にも何にも役に立たない生粋の非教育的番組なのだが、「本当のことを言う」ことと「悪ふざけ」の相性がすこぶる良いということに気づいている人たちには、この上なく楽しめる番組であることは間違いない。逆に悪ふざけの中に真実を見つけられない人には、当然まったくお勧めできないのは言うまでもないが言う。



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