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『日刊サイゾー』ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」第17回更新~『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0』~

ラジオコラム第17回は、4月からの一部昇格が話題の『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0』について。

【等身大の感覚を生きたまま届ける『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポン0』】
http://www.cyzo.com/2013/03/post_12801.html

久保ミツロウに関しては、僕がまだ『週刊少年ジャンプ』の編集部に入って間もないころ、『3.3.7ビョーシ!!』という作品を『週刊少年マガジン』誌上で目撃して、「面白い少年漫画を描く女性作家がついに出てきたなぁ」と感じた記憶がある。当時、漫画編集者としてたいした経験もなかったくせに偉そうな感想だが、思っちゃったんだからしょうがない。いやそれが女性作家の手によるものだと気づくのは、もうちょっと後のことだったかもしれないが、そのころ『ジャンプ』には女性投稿者の作品がかなり増えてきていて、僕も何人かの有望な女性新人作家を担当していたから、普段からわりと、男性作家の描く少年漫画と女性作家の描く少年漫画の違いとか、それぞれの長所短所について考えていた時期だったんだと思う。

だから『モテキ』がブレイクしたときも、『ANN0』が始まったときも、いずれも間違いなく驚いたけど、一方で順当な結果だとも思っていた。ただ、『モテキ』のドラマ版がサブカル界隈であまりにも持て囃されすぎていたのと、『ANN0』以前にTBSラジオの『文化系トークラジオ Life』にゲスト出演したときの彼女のトークが、どうも周囲と噛み合っていない感じを受けたのが妙に印象に残っていて、「漫画家としての久保ミツロウ」から入った身としては、正直複雑な感情もあった。

しかし『ANN0』が始まってみると彼女のトークはねじれにねじれていて面白く、それはやっぱり相方としての能町みね子の懐の深さによって引き出されている部分も大きいのだと思う。もちろん『Life』にも名うての論客は揃っているのだが、大人数に囲まれる完全アウェイな状況と、信頼できるパートナーとの一対一の会話では、テニスとラグビーぐらい違う(比喩でよりわかりにくくするパターン)。

基本ローテンションなのに、時にハイテンションに振り切れる久保と、そんなときにも落ち着いた声質で客観的視点を差し込んでくる能町というコンビネーションにはやはり特別な何かがあって、この二人の絶妙なパス交換にはとても入り込めないような気がするからこそなんとかして入り込みたくなるような、聴いているとそんな感じが湧いてくるのが不思議だが、面白いラジオには、そういう「閉じているんだけど開いている」という矛盾した感覚が必ずある。そんな密室感と解放感の両立が、深夜ラジオという特殊な磁場によって引き出されているようでいて、むしろ二人が深夜ラジオの魅力を改めて引き出しているようでもある。



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